爆音で言うから聞かないで
歌詞
片方のイヤホン 押しつけて
「これ、爆音で聴いて」って笑う
君の耳と 僕の耳のあいだ
ケーブル一本ぶんの秋
自転車置き場 沈む日が早い
言えない言葉が 喉で溶けてく
音量ノブを 右へ回す
心臓の音が 消えるまで
これくらい うるさければ
何を言っても 大丈夫だろ
爆音で言うから 聞かないで
ギターの壁の その裏側で
好きだって 百回 叫んでる
君に届かない 音量で
爆音で言うから 聞かないで
でも ほんとは 少しだけ
気づいてほしい 気づいてよ
歩道橋の上 電車が通る
声をかき消す その十秒だけ
本当のことを 言える気がした
轟音の裏の 小さな本音
今日で昼と夜が ちょうど半分
ここから 夜が 少しずつ勝つ
ノイズの奥に 隠した言葉
拾われたなら 終わりだから
下手なままの ディストーション
上手くなんて ならなくていい
爆音で言うから 聞かないで
歪みの底の その一行を
好きだって 千回 混ぜてある
君のプレイリストの 隙間に
爆音で言うから 聞かないで
でも イヤホン 外さないで
最後まで 聴いていてよ
静かな場所じゃ 言えないんだ
無音が怖い 沈黙が痛い
だから今夜も ボリュームを上げる
君の返事が 聞こえないように
聞こえないように
聞こえて ほしいのに
爆音で言うから 聞かないで
——もう嘘だ 聞いてほしい
好きだって 一回で いいから
まっすぐ 君に 渡したい
爆音で言うから じゃなくて
音を ぜんぶ 止めて
いま 言うよ
聞いて
ノイズが引いていく
心臓だけが 鳴ってる
ねえ 聞こえてる?
ねえ 聞こえてる?
聞いて